全国邪馬台国連絡協議会・東京支部主催で開催された講演会に、福島から菊地昌美氏が参加された。そのとき、会本部の菊池秀男事務局長に、菊地昌美氏が自著『邪馬台国は大和国』の改訂新版を寄贈された。
その本を、事務局長がわたしの運営する「邪馬台国図書館」に寄贈してくれた。
事務局長には、日ごろより邪馬台国図書館の趣旨に賛同していただき、手に入りにくい在野の研究者の著作をよく寄贈してくれる。
菊地氏と菊池氏、二人の寄贈者には感謝に堪えない。
著者の菊地氏は、略歴によると会津、郡山、須賀川など主に福島県一途に高校で教鞭を取られ日本史の先生である。
現在も福島に在住の方で、東京の講演会にわざわざ出かけてこられる研究熱心な方と思われる。
氏の労作は、『邪馬台国は大和国』の改訂新版(2014・歴史春秋出版)である。
氏は2008年に同名の前作を出版して、多くの方から疑問、反論を貰ったという。
そこで、説明不足をおぎない、引用した史料の信頼性を理解してもらうために、改訂新版の出版である。
著作のカバーにコピー文がある。
≪邪馬台国はどこにあったのか。
だれもが、一度は興味を持つであろう太古のロマンに秘められた女王の国・邪馬台国≫氏は『魏志倭人伝』を読み、「狗奴韓国が倭国の支配下にあったのではないか」と思う。
それを確かめるために、多くの著作にあたり、『後漢書東夷伝』の一文を見つけたという。
「其大倭王居邪馬臺国」(その大倭王は邪馬台国にいる。)である。
この一文の重要性に気づき、まず『後漢書』と『三国志』の比較検討をはじめる。
次いで、『新羅本紀』、『晋書』、「高句麗好太王碑文」、『宋書』を猟渉する。
≪幾十年、その謎を研究し続けた著者によって、新しい発見がなされた。
史料を比較し、史書編者の過ちを訂正しながら、所在地を探る。
丹念な史料読解に加え、当時の倭国情勢までも考察した本書。
渾身の作である。≫
著者の菊地氏の到達した結論は、「邪馬台国は大和にあった。」である。ご興味のある方は、福島・会津若松市の歴史春秋出版株式会社(0242-26-6567)に問い合わせると購入できるかもしれない。
挿図:菊地昌美『邪馬台国は大和国 改訂新版』(2014・歴史春秋出版)の表紙
(追 記:2016.11.13記)講演会で図らずも、菊地さんにお会いした。
そこで『邪馬台国は大和国』をまたいただいた。
前に私がいただいた本は「改訂新版」であり、今回のは最初に出された本である。
菊地さんは、自身の説の原点である初めの本も読んで欲しいと、寄贈してくれたのである。
菊地さんの熱い思いが伝わる。
再度のご好意に、深く感謝を申しあげる。
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