館長だより 第49号
館長だより 第49号

館長のつぶやき(4)

2014/03/16

   ☆ 始動目前 邪馬台国図書館

 邪馬台国について調べ始めると、その関係書籍の多いのに驚く。

 先人たちの研究、考察の蓄積は、果てしがないほど多い。

 一個人がなにかを調べようとすると、まずそれまでの研究書籍を探すことから始めなくてはならない。

 これがなかなかうまくいかない。

 町の図書館に見たい本がすべて揃っているわけではない。

 多く揃っている大学や研究機関の本は手軽に見ることがむずかしい。

 便利になったネットで見つけても専門書は高価な場合が多い。

 研究に取り掛かる前に、手間と時間と金銭が浪費される。

 こんな無駄はない。

 どこかに邪馬台国の関係書籍を専門に揃えた図書館があれば、どれだけ有用であろうか。

 そんな思いを抱きながら、邪馬台国や古代史関係の書籍を集め始めて数十年になろうとしている。

 家の本棚は二重に本を入れても入りきらなくなり、本棚のまえに平積みをした本もあちこちで腰の高さを越えつつある。

 それでなくても狭い部屋は、座る場所にも不自由をきたしてきた。

 見たくなった本をどこに入れたか、探す時間が増えてきた。

 もう、限界である。

 本を死蔵していて、なんの意味があるのだろう。

 利用できない本など、ゴミと一緒である。

 長年の夢である邪馬台国図書館を始動すべきときが来たということであろうか。

 邪馬台国図書館をやりたいという気持ちばかりが空回りをする。

 具体的なことはなにひとつ決まっていないが、HP「邪馬台国図書館」の図書目録に登録した本が3000冊を越えた。

 これを期に、去年の暮れに、家の近所に安アパートの一室を借り、本を移すことにする。

 幸いなことに、本の移動は全然苦にならないし、暇だけは充分にある。

 書籍目録に掲載した本を少しづつ運ぶ。

 すぐに本棚が足りなくなる。ネットで丈夫なスチールの本棚を購入する。

 また、本棚がいっぱいになる。また本棚を購入する。

 作業を繰り返しているうちに、移動が終了したあとのことを考えていないことに気がつく。

 図書館は活用されなければ意味がない。

 私の考える「邪馬台国図書館」には三つの目的がある。

  第1:本の収集と保存
  第2:本の公開と貸し出し
  第3:邪馬台国問題の勉強と研究

 自分が所属している「邪馬台国の会」の内野会長に相談をする。

 まず、第2について。

 一番重要なことは、「邪馬台国図書館」の存在をみなさんに知ってもらうことである。

 いくら理想をかかげても、誰も知らないのでは存在価値がない。

 会長に「邪馬台国の会」での告知をお願いした。

 その利用方法として、来館は大歓迎であるが、一人でやっていることなので常駐は現実的に無理である。

 それに都心に在るわけではないので、遠路出かけてこられる方がどれほどいるだろうか。

 利用してもらうことが目的なので、次善の方法としては、本の貸し出しである。

 「邪馬台国の会」の会員登録をされている方に限定して本の貸し出しを行なう。

 蔵書の内容は、HP「邪馬台国図書館」を見てもらえば、大概はわかる。

 手順としては、貸し出し希望者は、HP「邪馬台国図書館」のメールアドレスへ

  @ 会員番号  A 氏名  B 住所  C連絡電話番号  D書籍名 を

 メールで送っていただければ、次回の「邪馬台国図書館」の講演会会場に私が持っていく。

 蔵書の中には大型本や希少本もあるので、すべての本が貸し出せるわけではないが、できるだけご希望に沿いたいと思う。

 本をお貸しする時に、免許証や保険証などでご本人確認をさせていただく。

 貸し出し期間は、約1ヶ月。

 返却はつぎの講演会のときに会場へ持ってきて、返してもらう。厳守。

 費用は無料。ただし、万一、破損・紛失の場合は同じ本を購入して返していただく。

 この貸し出し方法に不備や無理が生じた場合、適宜、改良や変更を行なう。

 つぎに第1について。

 邪馬台国関連の本は、世に無尽蔵にある。個人で集めるには限界がある。

 会員の方で、趣旨に賛同していただける方からも、そうでない方からも、すべての方から本の寄贈をお願いしたい。

 用の済んだ本、重複してお持ちの本、ご自分で書かれた本など、邪馬台国や古代史に少しでも関連がある本ならば、大歓迎である。

 「邪馬台国図書館」にすでにある本でも、こちらで古本販売をして新たな本の購入資金に回せるので、こちらも大歓迎。

 私自身も重複して購入した本が少なからずあるので、会長の許可をもらい、講演会のロビーで時折古本市を行なわせてもらっている。

 売り上げは次の本の購入にあてている。

 趣旨には賛同するが、現在は本を使用しているので寄贈はできないという方も多くいられるであろう。

 私はあせらない。ゆくゆく使わなくなったり、ご本人が使えなくなった場合、「邪馬台国図書館」に寄贈するという遠い約束も大歓迎である。

 寄贈いただいた方には、そのご好意に対しHP上にお名前を掲載して「邪馬台国図書館」の続くかぎり感謝の気持ちを表わす。


 現在ある「邪馬台国図書館」のスペースは限られている。しかも、有料である。

 近い将来、満杯になることが目に見えている。広いスペースが必要となるが、相応の費用も必要となる。

 どなたか、無料で提供できるスペース、部屋、建物をお持ちの方はいらっしゃらないだろうか。

 虫のいい話という事は、充分も承知しているが、切実な願いである。

 あるいは、ひょっとしたらあの人なら話を聞いてくれるかもしれないという人を紹介いただけるだけでもうれしい。

 公的機関に伝のある方がいらしたら、ぜひ相談に乗っていただきたい。

 本は保存され、次代へ引き継がれていかなければならない。

 場所と維持管理の組織ができあがれば、現在私の持っている本はすべてそこへ寄贈する。

 是非、お知恵と情報をお願いしたい。

 最後に第3について

 並んでいる本を眺めて、満足していているだけではダメである。

 本を活用して、勉強の教材にしたり、研究の参考に役立てなくては宝の持ちぐされである。

 随時、集まる機会を設け、勉強会、研究会、発表会などを行ないたい。

 常に人が集まり、自論、意見、情報の交換などのお互いが切磋琢磨できるような場所となることを目指したい。

 そこで、第一歩として同好の士を募り、「邪馬台国の会 船橋支部」を立ち上げる。

 テーマを設け、お互いが発表者になり、共に学ぶ。

 あるいは、講師を頼み新たな知識を得る。

 あるいは、懇談をとおして、日頃の研究成果を話したり、疑問を尋ねる。

 いろいろな形態を試し、適した方法を見つけたいと思う。

 思いついたことをずらずら並べたが、”求めよ、さらば与えられん!”である。

 四月の開館を目指して、できることから、まず第一歩を踏み出そう。

 みなさんのご協力、ご利用をせつにお願い申し上げる。

  写真 上:館内の様子。数枚の写真を合成したので縮尺がうまくいかず本棚がずれている。
        雰囲気を感じていただければうれしい。(館長撮影)

  写真 下:初めての来館者。理事の松本さん。(館長撮影)

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