館長だより 第139号
館長だより 第139号

館長のつぶやき(34)

2019/12/15

   ☆ 寄贈本 『京都祇園祭りの淵源だった 前方後円墳の謎を解く』

先日、角田彰男(つのだあきお)さんからご自身の著作を頂いた。

『京都祇園祭りの淵源だった 前方後円墳の謎を解く』(2019・本の泉社)である。

邪馬台国図書館へ寄贈に感謝申し上げる。

私にとって角田作品は、『邪馬台国五文字の謎』に次ぐ二冊目である。

今回の著作も前著と同じく、通常ある研究本ではなく、歴史推理小説である。

主人公は津田教授と助手の松井である。

その二人が、前方後円墳の起源・原形・その意味などの謎を解くストーリーである。

コナン・ドイルのシャーロックホームズとワトソンや高木彬光の神津恭介と松下研三を思わせる。

角田さんはいう。

 《世界的に日本独特の前方後円墳は、未だ解けない日本史最大の謎である。
 前方後円墳は全国四三都道府県に約五二〇〇もある。
 しかし、この古墳の巨大なものが近畿に目立って存する故に、
 これは奈良の大和朝廷に起因するという安易な思考は歴史の真実を見失いやすい。
 本書は事実を基に科学的合理的研究と論理を展開してこの謎を解明する歴史推理小説である。》

話は、丹後半島にある日本海側最大の古墳から始まる。

埼玉のさきたま古墳群、筑紫の倭王と甕棺墓の分布、対馬・浅茅湾の古墳島巡りなどと話はいろいろと展開する。

角田さんは日本ペンクラブの会員であり、文章は読みやすく内容も分かりやすい。

話の最後に京都祇園祭りが出てくる。

前方後円墳と祇園祭りがどう結びつくのであろうか?

歴史推理の結末が楽しみである。


  挿図:『京都祇園祭りの淵源だった 前方後円墳の謎を解く』(2019・本の泉社)の表紙。


トップへ

戻 る 館長だより HP表紙 進 む
inserted by FC2 system