「邪馬台国の会」の会長のもとに山下善文氏よりご自身の著作二冊が贈られてきた。『邪馬台国』と『続邪馬台国』である。
会長はさっそく読んて、この本は自分一人が所有するにはもったいないと思う。
そこで「邪馬台国図書館」の蔵書として、希望者に貸し出しできるようと私が託された。
在野の研究者の著作は、その出版情報が乏しいのでなかなか手に入らない。
それが今回二冊も寄贈されたことはとてもありがたい。感謝申し上げる。
著者の山下さんは、本にある略歴によると福岡県久留米市在住で、多方面で活躍されている方である。造園、建築土木、青年団、消防団、農民活動などを体験したという。
勉学でも易学、地理学、生物学、法律、経済、経営など多岐にわたっている。
ある時、その山下さんが福岡県中央部の嘉穂郡に招かれ、多くの人からいろいろな話を聞く。
嘉穂の地をいろいろ巡り観察して、この地に古代日本誕生の礎が築かれたと直感したという。
山下さんの古代史への挑戦がはじまる。
《私なりの物証、状況証拠による推論から日本誕生の歴史をさかのぼってみたいと思い、
古代史推論確証として筆を起こしました。》と著作『邪馬台国』の「はじめに」にある。目次を拾うと、海洋民族漂着、移民定住、集落からクニへ、さらに発展、共存共栄……と続く。
山下さんの壮大な古代日本国家誕生の歴史叙述が展開していく。
変遷する高天原、狗奴国との葛藤、女王卑弥呼の統治、大乱戦国、卑弥呼の宣言、悲願達成への道程となる。
文中には卑弥呼はだれか、邪馬台国はどこか、しっかりと書かれている。
本の帯の前後には、《数々の状況見聞による日本人必読の浪漫古代史 ついに発見!邪馬台国 邪馬台国論争は決着!!》とある。
二冊目の著作は、前作を受け、『続邪馬台国』である。”大和朝廷誕生への道程 古代人の努力の痕跡”と副題がある。
巻末には山下さん作成の邪馬台国関連の年表があり、解説も付いている。
山下さんの考える歴史展開が分かりやすく書かれていてとても参考になる。
ご興味のある方は、どうぞご覧ください。「邪馬台国の会」の会員の方にはお貸しいたしますので、メールにてご連絡ください。
よろしくお願いいたします。
挿図上:山下善文『邪馬台国―日本誕生の礎』(2003・文芸社)の表紙、帯付き挿図下:山下善文『続邪馬台国―大和朝廷誕生への道程』(2004・山善企画)の表紙
(追記 4.28記)山下さんからまた自著本を頂いた。
小説『邪馬台国』(1998・山下グリーンライフ出版部)である。
発行日から推察すると、先に頂いた作品の基になっている著作と思われる。
再度の寄贈に心よりお礼申し上げます。
|