館長だより 第117号
館長だより 第117号

安本作品 あれこれ(19)

2018/07/1

   ☆邪馬台国への道早わかりチャート

 『歴史Eye』の'92-8月号に安本作品が二篇掲載されている。

 一篇は、「邪馬台国論争は終盤戦に入った」である。

 内容は、まず、論争の先駆者・新井白石と本居宣長の大和説と九州説の紹介である。

 そして、邪馬台国と大和朝廷の関係についての代表的な10の学説を図表で示す。

 <これらの図をみれば、諸説の基本的な骨格に着目するとき、
  出るべき説は、ほぼ出そろっていることがわかる。
  そして、九州説か大和説かを取ると、約半分が消える。
  さらに、大和朝廷の成立を、邪馬台国以前か、以後かを選ぶと、さらに半分の半分が消える。>

 邪馬台国の位置は、極限にまで絞られる。

 邪馬台国論争は終盤戦に入ったという、所以である。

 論文とは別に、もう一篇の安本先生製作の「邪馬台国への道早わかりチャート」の図表がある。

 実は、この図表見たとき、はて、どこかで見たことがあるぞ、と私は思った。

 手元の資料を探したら、『週刊読売』('75.7.5号)にあった。

 「あなたが決める邪馬台国はここだ!」である。

 内容は同じであるが、こちらのルートは手書き風である。

   <ここでは、邪馬臺国論争のおもな論争点を整理し、そのひとつひとつを、
  あなた自身によって判断していただく。
  そして、あなた自身の足で邪馬臺国への道を歩んでいただこう。>

 これは、読者への挑戦である。

 ここにそのチャート図表を2枚に分けて掲載する。

 邪馬台国への行程は、朝鮮半島にある帯方郡からの出発である。

 狗邪韓国、対馬国、一支国を経て、末盧国へ向かう。

 ここで、一番目の関門・論点Tがある。

 末盧と松浦、地名の合致を重視するか、しないか、最初の分かれ道となる。

 論点は全部で15ある。その都度、分かれ道の選択がある。

 ゴールは畿内大和、筑前博多からジャワ・スマトラまである。

 あなた自身の知恵と知識を駆使して、愉しみながら真実の邪馬臺国へたどり着いて頂きたいものである。


  挿図上:『歴史Eye』1992年8月号(日本文芸社)の表紙

  挿図中:邪馬台国への道早わかりチャートの図(右側・出発点)(『歴史Eye』1992年8月号・日本文芸社)

  挿図下:邪馬台国への道早わかりチャートの図(左側・到着点)(『歴史Eye』1992年8月号・日本文芸社)


  拡大図を見たい方は、こちらをご覧ください。・・・拡大図1 拡大図2 拡大図3 拡大図4



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