館長だより 第115号
館長だより 第115号

安本作品 あれこれ(17)

2018/06/10

   ☆『歴史人』の保存版特集

 近年、A4判の大型月刊誌が流行っている。

 紙が上質で、掲載記事にイラストやカラーグラビアがふんだんにある。

 そのひとつにKKベストセラーズの月刊誌『歴史人』がある。

  2010年9月、創刊の新感覚エンターテインメント歴史マガジンとネットに説明がある。

 編集部が歴史の魅力、面白さを伝えるため、ジャンルを四つに絞って歴史情報を発信している。

 ジャンルの一つに「古代・中世」があり、毎号保存版と銘打って特集を組んでいる。

 それらのいくつかに安本美典、監修・文の記事がある。

 文章だけでなく視覚に訴えてくるので、見やすくてわかりやすい。

 『歴史読本』が廃刊になった原因がこの辺にあるのかもしれない。


 当館が所蔵する中から、安本先生の論考が掲載されている号を紹介する。

 2011年5月号(8):『魏志』倭人伝と「邪馬台国=九州説」を読み解く/監修・執筆 安本美典(写真上−左)

 特集 激論!古代史の謎 のなかの第2部のPART@にある。

 『魏志』倭人伝、吉野ケ里遺跡、出土する甕棺…九州説の論拠を徹底検証 と説明がある。

 朝鮮半島からの行路図、倭人伝に記載されている遺物の福岡県と奈良県の比較、吉野ケ里遺跡の真相が絵や写真と共に綴られている。

 PARTA以下に、石野博信氏の畿内説、倉本一宏氏の初期ヤマト政権誕生、白神典之氏の大仙陵の築造のCG再現などがある。


 2013年6月号(33):天照大御神は卑弥呼である/監修・文 安本美典(写真上−中央、写真下)

 特集 卑弥呼と邪馬台国の謎 のなかの第1部の2番目にある。

 遺跡データ、古文献、発掘資料を情報科学で徹底分析した!と説明がある。

 天皇の代と没年または退位年から推理する「諸説の年代」のグラフや天照大御神と卑弥呼「9つの共通点」の表がある。

 最後に、天岩屋戸事件と「卑弥呼の死」の関連について考察している。


 2016年11月別冊(ベストムックシリーズ28):盗掘で分かった!天皇陵古墳の謎(写真上−右)

 この本は、歴代天皇皇位継承の秘史 がテーマである。

 その一番目に安本先生の論考がある。

 棺、遺骨、そして真の被葬者―調査も立ち入りも許されない陵墓に隠された謎を解き明かす!と説明がある。

  謎1 仁徳天皇陵の前方部石室は人を葬った埋葬施設なのか?

  謎2 仁徳天皇陵には、本当に仁徳天皇が祀られているのか?

  謎3 棺、遺骨、骨臓器……天武持統天皇合葬陵の内臓物とは?

  謎4 盗掘者は逮捕、磔――成務陵から出たものとは?

 安本先生は、果敢に謎に挑戦して、解明していく。


 これら3冊以外の『歴史人』にも、安本先生の論考は掲載されていると思われる。

 ご存知の方は、是非「邪馬台国図書館」のホームページ掲載のメールアドレスまでご一報をお願い申し上げる。

        E-mail:yamataitosyo@yahoo.co.jp


  写真上−左: 『歴史人』(2011年5月号・KKベストセラーズ)の表紙

  写真上−中央:『歴史人』(2013年6月号・KKベストセラーズ)の表紙

  写真上−右: 『歴史人』(2016年11月別冊・KKベストセラーズ)の表紙

  写真下:   『歴史人』(2013年6月号)の該当論考掲載の見開きページ


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