近年、A4判の大型月刊誌が流行っている。紙が上質で、掲載記事にイラストやカラーグラビアがふんだんにある。
そのひとつにKKベストセラーズの月刊誌『歴史人』がある。
2010年9月、創刊の新感覚エンターテインメント歴史マガジンとネットに説明がある。
編集部が歴史の魅力、面白さを伝えるため、ジャンルを四つに絞って歴史情報を発信している。
ジャンルの一つに「古代・中世」があり、毎号保存版と銘打って特集を組んでいる。
それらのいくつかに安本美典、監修・文の記事がある。
文章だけでなく視覚に訴えてくるので、見やすくてわかりやすい。
『歴史読本』が廃刊になった原因がこの辺にあるのかもしれない。
当館が所蔵する中から、安本先生の論考が掲載されている号を紹介する。
2011年5月号(8):『魏志』倭人伝と「邪馬台国=九州説」を読み解く/監修・執筆 安本美典(写真上−左)
特集 激論!古代史の謎 のなかの第2部のPART@にある。
『魏志』倭人伝、吉野ケ里遺跡、出土する甕棺…九州説の論拠を徹底検証 と説明がある。
朝鮮半島からの行路図、倭人伝に記載されている遺物の福岡県と奈良県の比較、吉野ケ里遺跡の真相が絵や写真と共に綴られている。
PARTA以下に、石野博信氏の畿内説、倉本一宏氏の初期ヤマト政権誕生、白神典之氏の大仙陵の築造のCG再現などがある。
2013年6月号(33):天照大御神は卑弥呼である/監修・文 安本美典(写真上−中央、写真下)
特集 卑弥呼と邪馬台国の謎 のなかの第1部の2番目にある。
遺跡データ、古文献、発掘資料を情報科学で徹底分析した!と説明がある。
天皇の代と没年または退位年から推理する「諸説の年代」のグラフや天照大御神と卑弥呼「9つの共通点」の表がある。
最後に、天岩屋戸事件と「卑弥呼の死」の関連について考察している。
2016年11月別冊(ベストムックシリーズ28):盗掘で分かった!天皇陵古墳の謎(写真上−右)この本は、歴代天皇皇位継承の秘史 がテーマである。
その一番目に安本先生の論考がある。
棺、遺骨、そして真の被葬者―調査も立ち入りも許されない陵墓に隠された謎を解き明かす!と説明がある。
謎1 仁徳天皇陵の前方部石室は人を葬った埋葬施設なのか?
謎2 仁徳天皇陵には、本当に仁徳天皇が祀られているのか?
謎3 棺、遺骨、骨臓器……天武持統天皇合葬陵の内臓物とは?
謎4 盗掘者は逮捕、磔――成務陵から出たものとは?
安本先生は、果敢に謎に挑戦して、解明していく。
これら3冊以外の『歴史人』にも、安本先生の論考は掲載されていると思われる。ご存知の方は、是非「邪馬台国図書館」のホームページ掲載のメールアドレスまでご一報をお願い申し上げる。
E-mail:yamataitosyo@yahoo.co.jp
写真上−左: 『歴史人』(2011年5月号・KKベストセラーズ)の表紙写真上−中央:『歴史人』(2013年6月号・KKベストセラーズ)の表紙
写真上−右: 『歴史人』(2016年11月別冊・KKベストセラーズ)の表紙
写真下: 『歴史人』(2013年6月号)の該当論考掲載の見開きページ
|